先日行われた、卒業式の答辞をご紹介いたします。長尾谷で3年間過ごした卒業生の「想い」が込められています。ぜひご覧ください。
答辞
体の芯まで冷え込む寒さがようやく和らぎ、春の訪れを感じる季節となりました。
本日は私たちのために、このように盛大な卒業証書授与式を挙行いただきまして、卒業生を代表し心よりお礼申し上げます。
三年前の春、これから始まる高校生活に、私の心は不安でいっぱいでした。当時を振り返ると、とにかく「普通の高校生」にならなければいけないというプレッシャーで、気持ちばかりが空回りしていたように思います。
スタートクラスで始まった私の高校生活は、中学生の時とあまり変わらない環境の中でも、学校に行くと友達がいて話ができる、仲間との関りをもてて、安心して登校できる、そんな私に驚きを覚えました。
何より一人ひとりのペースを大切にしてくださる先生方のおかげで、私は自分の歩幅で頑張ることができました。
二年目には、スタートクラスの一年目とは変わり、何をするのも一人、ということが増えました。
体育の授業で、初対面の人と話をするのも怖くない、ペアを作るときも自分から声をかけることができて、自分自身の成長を感じることがありました。誰かと一緒でないと不安だった私が、とにかく「やってみる、飛び込んでみる」ことに挑戦し、大きく成長できた一年だったように感じます。
長尾谷高校では、校外で楽しめる学校行事がたくさん用意されていて、宝塚や劇団四季の観劇や、海遊館や船に乗っての大阪湾周遊、映画もたくさん鑑賞したし、天王寺へのウオーキング、動物園にも行きました。友達との楽しい時間を共有することができて、体は疲れていても、心は楽しい気持ちでいっぱいでした。
そうこうしているうちに三年目。早いもので本格的に進路を決めなければならない時、私は大学に行こうと決めました。しかし、どういう大学があるのか、何を勉強したらいいのか、何か資格を取りたいと思ったとき、右も左もわからなかった私に、先生は試験の種類から丁寧に説明してくださいました。大学受験にあたっても、自分一人では調整できないスケジュール管理の方法を、先生は適切にアドバイスしてくださいました。受験後の結果が出るまで気にかけてくださったチューターの先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
相談できる大人がいるということは、私にとってとても大きな心の支えでした。無事大学への入学も決まり、四月からの新生活に向けて準備する中で、長尾谷高校で学んだ「人と人との繋がりや、人としての優しさ」を再確認し、今後の人生の指針にしたいと思います。
全日制に通う高校生とは少し違う三年間を、通信制であり、単位制高校で送った私ですが、間違いなく人生の中でとても大事な三年間になりました。そしてそれは、自分の努力だけではなく、私をずっと支えてくれた家族や、親身になって相談に乗ってくださった先生方、「同じ授業を履修しようね!」と嬉しそうに声をかけてくれた友達のおかげだと思っています。普段はうまく伝えられない感謝の気持ちを、この場をお借りして言葉にできたらと思います。本当にありがとうございました。
最後になりましたが、これまで私たちを支えてくださった方々に、改めてお礼申し上げるとともに、長尾谷高等学校の益々のご発展を心より祈念して、答辞とさせていただきます。
令和7年3月11日 卒業生代表